一般細菌がおこす呼吸器感染症とは治療法が異なるので、せきが長引くようなら非定型病原体を疑ってみて、とK医科大学附属病院小児科のO教授は警告する。
新顔の細菌がかぜの原因に呼吸器の感染症には、一般に「かぜ」と呼ばれる「かぜ症候群」と中耳炎、副鼻腔炎がある。
かぜ症候群とは、発熱、鼻汁、のどの痛み、せきなどをおもな症状とする、上気道から下気道におよぶ幅広い疾患群を指す。
上気道炎には肩桃炎、咽頭炎、喉頭炎が、下気道炎には細気管支炎、瑞息性気管支炎、気管支炎、肺炎がある。
かぜ症候群の原因をみると、80〜90%はウイルスによるが、ほかに一般細菌、一般細菌非定型細菌イタリアのグループの研究では、子どもの急性咽頭炎の20%近くにマイコプラズマ、クラミジアがそれぞれ検出された。
ドイツの研究では、市中肺炎(院内感染をのぞいた感染)の原因の18%が肺炎クラミジア、10%が肺炎マイコプラズマだった。
倉敷中央病院における市中肺炎552例の調査をみると、一般細菌の肺炎球菌が25.4%なのに対し、肺炎マイコプラズマが6.7%、肺炎クラミジアが6.2%、レジオネラ菌が0.7%などと、非定型病原体の頻度が高くなっている。
「肺炎をおこす原因は、一般病原体が50%、肺炎マイコプラズマ、肺炎クラミジア、レジオネラなどの非定型病原体が50%と考えられる」とO教授。
世界の研究報告をみても、肺炎マイコプラズマ、肺炎クラミジア、レジオネラだけで、成人の市中肺炎のおよそ30〜40%の原因になっている。
なかでも、レジオネラは日本でも温泉などで死者を出したように、重症化する例が多い。
子どもの市中肺炎では、肺炎マイコプラズマと肺炎クラミジアがおよそ40〜55%に関与していることがわかった。
また、気をつけなければならないのが、複数の病原体の感染である。
非定型細菌の感染が引き金になって、一般細菌がさらに感染するケースが増えているという。
世界の報告をみわたすと、重複感染の占める割合は8〜38%に上っている。
とくに、5歳以下の子どもが肺炎になるのはごくわずかとされてきたが、最近のミラノ大学などの報告から、マイコプラズマ肺炎やクラミジア肺炎の擢患率が上昇傾向にあることがわかって最も特徴的なのは、せきが長引くことだ。
救急外来で、せきが14日以上続いた成人患者のせきの原因をみると、百日咳菌と肺炎クラミジアがおよそ20%ずつある。
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